書評
―中村正人 編―末梢血管インターベンション―症例に学ぶベスト・テクニック
横井 良明
1
1岸和田徳洲会病院・循環器科
pp.1391
発行日 2007年12月15日
Published Date 2007/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404100950
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中村正人先生らによる末梢血管インターベンションのガイドブックが刊行された.同書のような末梢血管のインターベンションの症例集は極めて珍しい.また,この分野が従来は放射線科,血管外科医の領域であったことを考えると,循環器内科医の参入は単なる余技ではなく,PCIの技術を基礎とした,循環器科の新たな血管内治療の試みの書でもある.この書で扱われる末梢血管インターベンションの分野は,鎖骨下動脈,腎動脈,下肢動脈が主に症例とともに解説され,また合併症にも詳細に触れられている.
鎖骨下動脈のインターベンションでは,川崎友裕先生らが末梢塞栓防止としての簡便な血栓吸引法が具体的に解説されており,明らかなevidenceのある方法とはいえなくても,吸引物質がシースポートから得られていることから,合併症の軽減に役立つことが推察される.
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