書評
―著:岡田正人―レジデントのためのアレルギー疾患診療マニュアル
森本 佳和
1
1コロラド大・アレルギー科
pp.407
発行日 2007年5月1日
Published Date 2007/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412101685
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本書の著者である岡田氏はニューヨークで内科研修,Yale大学でリウマチ・アレルギー臨床免疫科のフェローシップを修了され,米国の内科学・リウマチ学・アレルギー免疫学の3つの専門医をもっておられる.その後,フランスの大学関連病院にて8年間の臨床および医学教育の経験をもたれ,現在は聖路加国際病院に勤務しておられる.アレルギーは,日本-米国-ヨーロッパで大きな違いのみられる医療分野の1つである.アレルゲンに対する減感作療法ひとつを比較しても,あまり一般的に行われない日本,皮下投与による減感作療法を中心とする米国,舌下投与による減感作療法を積極的に取り入れるヨーロッパ,という具合である.これら異なる医療地域をトップレベルの医療機関で実際に臨床医療を経験してこられた岡田氏が書かれた書物であり,その価値は高い.
さて,本書を手にし,ページをめくると,そのギッチリと詰め込まれた内容に手に汗をかく思いさえする.内容は新しく,多くのエビデンスをもとに著者である岡田氏の経験や知識に触れることができる.米国におけるアレルギー免疫学の専門臨床トレーニング(フェローシップ)は最低2年間であり,筆者自身その教職にあるが,本書にある内容を身につけて実践できれば,アレルギー疾患に関してはそれで十分ではないかとさえ感じさせられる.
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