Japanese
English
Current Opinion
うっ血性心不全における睡眠呼吸障害―中枢型無呼吸とチェーン・ストークス呼吸の治療を中心に
Sleep Disordered Breathing in Congestive Heart Failure: Treatments for central sleep apnea and Cheyne-Stokes respiration
安間 文彦
1
Fumihiko Yasuma
1
1独立行政法人国立病院機構鈴鹿病院内科
1Department of Medicine, National Hospital Organization Suzuka Hospital
pp.1145-1150
発行日 2007年10月15日
Published Date 2007/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404100907
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
うっ血性心不全における睡眠呼吸障害をめぐる最近1年間の話題
(1) はじめに
うっ血性心不全(以下,心不全)は高齢者社会を迎えたわが国の最も重要な臨床課題の一つである.また,中枢型無呼吸とチェーン・ストークス呼吸(CS呼吸)や閉塞型無呼吸などの睡眠呼吸障害が心不全に高率に合併し1),それに起因する睡眠中の低酸素血症や無呼吸が心機能に直接の悪影響を及ぼすばかりか,二次的な交感神経活動の興奮が心不全の増悪因子となることは以前から知られている2,3).また,頻回の覚醒が睡眠の質を低下させ,不眠や眠気や易疲労感などの症状の原因となり,生活の質も低下する4).CS呼吸が心不全の予後不良のサインであるとする報告もある.
本稿では「心不全に合併する中枢型無呼吸とCS呼吸を治療するべきである」という立場から,日本循環器学会による「慢性心不全治療ガイドライン」,アメリカ胸部疾患学会(2007年5月,サンフランシスコ)の成果なども踏まえつつ,心不全における睡眠呼吸障害の治療について,最近の話題をまとめたい.
Copyright © 2007, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.