Japanese
English
特集 チェーン-ストークス呼吸
チェーン-ストークス呼吸のシミュレーション
Cheyne-Stokes Respiration Analysis using Computer Simulation
高崎 雄司
1
Yuji Takasaki
1
1東海大学医学部第2内科
1Department of Internal Medicine II, School of Medicine, Tokai University
pp.449-455
発行日 1995年5月15日
Published Date 1995/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404901050
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
はじめに
チェーン-ストークス呼吸(Cheyne-StokesRespiration:CSR),もしくは周期性呼吸(peri-odic breathing:PB,この総論では,PBをCSRと同義語として扱う)は,うっ血性心不全,中枢神経障害,低酸素血症,代謝性アルカローシス,未熟児など,さまざまな病態に合併することが知られている1,2).
CSR発現の機序として,呼吸の化学調節系の不安定性に起因するとの説が現在有力視されているが,1930年にはこの機序の関与がすでに推測されていた1).しかし,近年の急速なコンピューターの発達とともに,呼吸調節のコンピューター・シミュレーションモデルによる解析が可能となって,はじめて客観的な手法によるCSR発現に対する呼吸の化学調節系の関与の推測が可能となった.したがって,最近の約20年間にわたるコンピューター・シミュレーション解析を用いた研究の結果,CSRの発生機序に関する多くの疑問が解明されてきたと同時に,呼吸調節系のさまざまな不安定性促進因子も明らかとなってきた.
本稿では,呼吸調節系のシミュレーションモデルの概説と,このモデルによるCSR発現機序の解析を中心に述べる.
Copyright © 1995, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.