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特集 難治性喘息―その機序の解明と対策
気道炎症からみた難治性喘息
Airway Inflammation and Severe Asthma
森 晶夫
1
Akio Mori
1
1国立相模原病院臨床研究センター
1National Sagamihara Hospital, Clinical Research Center
pp.1189-1195
発行日 2003年12月1日
Published Date 2003/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404100756
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はじめに
わが国の喘息予防管理ガイドライン(1998年版)では,「重症喘息のなかで喘息症状を最小限にするためにBDPの大量吸入(800-1,600μg/日)と経口ステロイド薬(プレドニソロン1日10mg以上)を長期(1年以上)にわたり維持量として使用することが必要な症例を特に難治性喘息として扱う」と規定されている.国立療養所南岡山病院の高橋らは,難治性喘息の定義に関して最近全国規模の調査を実施したが,吸入ステロイドなどStep4の他の治療が行われていることを条件として,経口ステロイド薬の投与量,期間で規定する考え方が約3分の2の専門医に支持されていた.
海外では,2001年にATS Workshopの提言が出された.吸入ステロイド大量療法の普及を反映して,経口ステロイド依存症例に加えて,吸入ステロイドに対する反応性が乏しい症例群をも包含する広い概念となっている.難治性喘息は1個の疾患ではなく,複数のsubgroupが存在するものと想定されている.
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