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特集 動脈硬化の臨床
CTおよびMRIからみた動脈硬化―冠動脈を中心に
Atherosclerosis:Evaluation with CT and MRI
濱田 星紀
1
,
中村 仁信
1
Seiki Hamada
1
,
Hironobu Nakamura
1
1大阪大学大学院医学系研究科医用制御工学講座
1Department of Rediology, Osaka University Graduate School of Medicine
pp.561-568
発行日 2003年6月1日
Published Date 2003/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404100668
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動脈硬化と非侵襲的診断法
生活習慣病の原因である動脈硬化の診断は臨床の場における重要な問題のひとつである.動脈硬化の画像診断において,血管内腔表示である血管造影法は狭窄あるいは拡張病変の診断にはなくてはならない放射線診断法であった.しかし,血管造影法はあくまでも内腔自体の描出であって,病変の原因を解明する血管壁の状態の描出には不適当である.
冠動脈に関していえば,最近では虚血性心疾患を考えるうえで,acute coronary syndrome(ACS)という新しい概念が提唱され,動脈壁の性状の把握が治療あるいは予後を考慮するうえでなくてはならない情報となりつつある.すなわち,冠動脈疾患を含めて血管疾患診断においては,プラーク診断が血管内腔診断よりも急務となっている.虚血性心疾患に対する診断法が発達しても,特に急性冠症候群に対しては無効であり,また冠動脈造影法の有用性が疑問視されている(図1).前述のように,血管造影は内腔診断であるので,血管壁評価には無力である.
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