Japanese
English
方法と装置
肺換気運動の力学的考察について
Mechanical Analysis of the Lungs
中村 隆
1
,
滝島 任
1
Takashi NAKAMURA
1
,
AKISHIMA TAMATSU
1
1東北大学医学部中村内科
1Department of Internal Medicine Tôhoku University, Medical school
pp.676-679
発行日 1956年9月15日
Published Date 1956/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404200413
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緒 言
Jaquet, Bernoulliが肺弾性度を測定して以来主として肺弾性のみを対象として肺換気運動の研究がなされて来たが,Rohrerが屍体気道を用いて気道が肺換気時に示す抵抗を理論的に解明し,Neergaard and Wirzは"Interruption Te—chnique"を使つて同様に気道抵抗を生体で測定し得る事を報告している。さらに近年とくにアメリカ学派の肺生理学の進展にともない改めて肺の換気機構が注目され,M. B. C.を出発点としてTimed Vital Capacity, Capacite pulmonaireutilisable a l'effort (Tiffeneau試験),Bronch—ometrie等が臨床検査として用いられるに至つているが,之等の検査を含めてスパイログラヒィーは其の実施が簡便な為に近年臨床的に広く利用され,肺容量のみでなく肺換気運動障碍の検出に役立つている。然し乍らスパイログラムに現わされるものは云わば結果的産物であつて生体が如何なる努力(圧)をして斯る結果が得られたものかを推測し得ない。肺換気運動は力学的に肺を弾性体とみ,流体力学的に取扱うことが可能で,従つて力,容積或は気流速度及び抵抗なる概念によつて規定し得るわけであり,電気的類似性を求めるならば肺は一種の蓄電器—抵抗回路と考えられる。
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