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特集 心房細動治療の新展開
心房細動の非薬物療法の現状と展望
Non-pharmachological Therapy of Atrial Fibrillation
熊谷 浩一郎
1
Koichiro Kumagai
1
1福岡大学医学部循環器科
1Department of Internal Medicine Ⅱ, School of Medicine, Fukuoka University
pp.145-151
発行日 2003年2月1日
Published Date 2003/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404100623
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心房細動の非薬物治療
心房細動(AF)の治療には通常薬物が用いられるが,その有効率は50%前後といわれている.仮に,薬物が有効であっても催不整脈作用や心外副作用により中止せざるをえない場合もある.そこで,いろいろな非薬物治療が考案され,試みられてきた.AFの非薬物治療には,心房ペーシング法,心房除細動器,カテーテルアブレーション法(アブレート&ペース法を含む),Maze手術がある.
ペーシングによるAFの予防
AFに対するペースメーカ治療は従来房室伝導能の悪い徐脈性AFや,徐脈・頻脈症候群に対して適応とされていたが,近年,発作性AFの予防を目的とした新たな応用が試みられるようになってきた.AF患者では有効不応期の短縮やそのばらつきが存在し,興奮の不均一性がAFの発症に関与している.心房ペーシングはこれらの興奮の不均一性や不応期のばらつきの改善に役立ち,AF発症を抑制するものと考えられる.冠静脈洞やBachmann束ペーシング,あるいは心房内2点同時ペーシングがAFの予防に有用であったという報告がある.自己心拍を若干上回る頻度でペーシングを行う,あるいは心房期外収縮の出現時にペーシングレートを急上昇させるなどのアルゴリズムを用いた検討もある.しかし,本法は大規模かつ長期的成績が確立されておらず,今後の研究を待たねばならない.
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