Japanese
English
特集 非侵襲的換気療法―ガイドライン作成に向けて
急性呼吸不全とacute on chronicの非侵襲的換気療法
Noninvasive Ventilation for Acute Respiratory Failure and Acute on Chronic
鈴川 正之
1
Masayuki Suzukawa
1
1自治医科大学救急医学
1Department of Emergency and Critical Care Medicine, Jichi Medical School
pp.21-27
発行日 2003年1月1日
Published Date 2003/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404100607
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
急性呼吸不全(慢性呼吸不全の急性増悪を含む)に対しては,1990年頃からNPPV(Noninvasive Positive Pressure Ventilation)が使用されるようになって現在に至っているが,初期の対象患者は慢性閉塞性肺疾患(COPD,Chronic Obstruc-tive Pulmonary Disease)の急性増悪がほとんどであった1).その後,心原性肺水腫,ARDS,肺炎,肺挫傷,喘息,術後呼吸不全などの急性呼吸不全への呼吸管理の手段として使用されるようになってきたのみならず,ウィーニングの補助として,また気管挿管拒否患者の呼吸管理手段としても使用され,その適応範囲が広がっている.Sassoonは1994年までに発表されたNPPV症例は400を越えると報告しているが2),この数は2000年までの調査では1,000を越えている3).NPPVが広く受け入れられてきていることと,現在も研究対象として興味を持たれていることを示していると考えられる.
本稿では,心原性肺水腫以外の急性呼吸不全に対するNPPVの現状について主に文献的なレビューを行うとともにガイドライン作成に関する医療側の問題点についてもまとめることとする.
Copyright © 2003, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.