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特集 非侵襲的換気療法―ガイドライン作成に向けて
慢性呼吸不全の非侵襲的換気療法
Non-invasive Ventilation for Chronic Respiratory Failure
石原 英樹
1
Hideki Ishihara
1
1大阪府立羽曳野病院呼吸器科
1Department of Respirology and Respiratory Care, Osaka Prefectural Habikino Hospital
pp.15-20
発行日 2003年1月1日
Published Date 2003/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404100606
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はじめに
非侵襲換気療法(Non-invasive Ventilation:NIV)には,鉄の肺から発展した胸郭外陰圧式人工呼吸(Negative Pressure Ventilation:NPV)もあるが,現在では,NIVという場合は非侵襲陽圧換気療法(Non-invasive Positive Pressure Ventilation:NPPV)のことを指すことが多い.睡眠時呼吸異常の研究と治療,神経筋疾患などの慢性呼吸不全の人工呼吸の方法として,1980年代より導入され,現在欧米ではほぼ確立した治療法となっている1~8).
近年わが国でも,高炭酸ガス血症を伴う慢性呼吸不全に対する換気補助療法としてNPPVが導入され,欧米とほぼ同等の臨床成績が報告され,普及・定着しつつある9,10).最近では,NPPVの導入が慢性期だけでなく,急性期にも有効との知見が増えており,慢性呼吸不全の急性増悪時や,挿管下人工呼吸からのウィーニング,ある種の急性呼吸不全などに用いられ,その有用性が指摘されている.
本稿では,慢性呼吸不全症例の急性増悪時および在宅NPPVの現状について考察する.
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