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特集 急性肺塞栓症の最新の知見
急性肺塞栓症の新しい診断アルゴリズム
Diagnostic Algorithm for Acute Pulmonary Embolism
小山田 吉孝
1
,
石坂 彰敏
1
Yoshitaka Oyamada
1
,
Akitoshi Ishizaka
1
1慶應義塾大学医学部呼吸器内科
1Department of Internal Medicine, School of Medicine, Keio University
pp.683-689
発行日 2005年7月1日
Published Date 2005/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404100576
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はじめに
肺換気-血流シンチグラムは,肺における換気および血流の分布を,それぞれに異なる核種を用いて比較的低い侵襲で調べる検査である.1970年代の終わり頃から急性肺塞栓症の診断における換気-血流シンチグラムの有用性が指摘されるようになり1,2),多施設前向き検討であるPIOPED(Prospective Investigation of Pulmonary Embolism Diagnosis)study3)によって所見が分類された1990年以降,換気-血流シンチグラムは常に急性肺塞栓症の診断アルゴリズムの根幹に据えられてきた.しかしながら,換気-血流シンチグラムには核種のavailabilityをはじめとする種々の問題点がある.また,新しい診断技術であるcomputed tomographic pulmonary angiography(CTPA)の知見が積み重ねられてきたこともあり,換気-血流シンチグラムを中心とした急性肺塞栓症の診断アルゴリズムが現在の日常臨床に即したものとは必ずしもいえなくなっている.
2003年に発表されたBritish Thoracic Society(BTS)の診断アルゴリズムは,換気-血流シンチグラムを必要としない,全く新しいタイプの診断アルゴリズムである.本稿では,換気-血流シンチグラムを中心とした診断アルゴリズムを振り返りつつ,BTSの新しい診断アルゴリズムについて解説を加える.
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