Japanese
English
Bedside Teaching
呼吸器疾患患者と一般外科手術
Non-thoracic Surgery in Patients with Respiratory Disease
小林 敦子
1
,
橋本 悟
2
Atsuko Kobayashi
1
,
Satoru Hashimoto
2
1済生会吹田病院ICU
2京都府立医科大学麻酔科(集中治療部)
1ICU,Osaka Saiseikai Suita Hospital
2Department of Anesthesiology, Kyoto Prefectural University of Medicine
pp.1047-1052
発行日 2004年10月1日
Published Date 2004/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404100553
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はじめに
手術や全身麻酔は呼吸生理に劇的な変化を与えうる.そのため呼吸器疾患を合併した患者は全身麻酔,手術に際して合併症を併発する可能性が高く,時に生命の危機にさらされることさえある.例えば慢性呼吸器疾患患者では,脳脊髄液中の重炭酸濃度が上昇しているので,CO2の増加に対する反応が鈍い.このような患者では麻酔前投薬や不用意な酸素投与で容易に換気不全に陥る.また,麻酔中の筋弛緩薬,鎮痛薬投与,調節呼吸はそれ自体が呼吸不全を来す大きな誘因となる.呼吸器疾患を有する患者の周術期管理で重要なことは患者の正確な術前評価と危険因子に対する処置,適切な麻酔管理,術後の積極的な呼吸管理により合併症を最小限に防ぐことである.
本稿では,胸部外科手術以外の一般外科におけるこうした患者の周術期管理において留意すべき点を述べる.しかしながら,呼吸器疾患は多岐にわたるため,すべてについて網羅することは不可能である点はご了承いただきたい.
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