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特集 気管支鏡手技を用いた医療の最新動向
末梢肺病変に対する極細径気管支鏡
Ultrathin Bronchoscopy for the Peripheral Lung Lesions
坂 英雄
1
,
沖 昌英
1
Hideo Saka
1
,
Masahide Oki
1
1国立病院機構名古屋医療センター呼吸器科
1Department of Respiratory Medicine, National Hospital Organization Nagoya Medical Center
pp.171-175
発行日 2007年2月15日
Published Date 2007/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404100535
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はじめに
肺癌をはじめ,肺末梢の病変に対するアプローチの必要性が高まっている.それに応える形で,外径が細く,画像も鮮明で,かつ生検を得るためのチャンネルを有する気管支鏡が日本で開発された.通常,極細径気管支鏡は外径3mm以下の気管支鏡を指し1),日本では1999年に外径2.8mm,操作チャンネル径1.2mmの極細径気管支ファイバースコープが市販された.その後,2003年には挿入部のグラスファイバーの映像を気管支鏡根部のCCDで画像処理して,テレビ画面に結ぶハイブリッド・スコープが開発された(図1).これにより,同じサイズの極細径気管支鏡でありながら従来型に比べ,より鮮明な画像が得られるようになった.極細径気管支鏡は通常径気管支鏡に比べ細い気管支への挿入が可能であり2),末梢肺野病変の診断2~4)や処置5),中枢狭窄気道病変の評価において効果が期待できる.さらに低侵襲で安全な検査も実現可能である6).
極細径気管支鏡は,従来の電子スコープと比べて先端部の外径が2.8mmと半分以下であり,点滴のラインほどしかない(図2).扱いも通常の電子内視鏡のそれとは異なり,屈曲部の曲率半径が小さく,広い空間ではむしろ先端がフラフラする感覚があり,通常径の気管支鏡とは全く異なる内視鏡と考えて扱うほうがよい.
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