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特集 呼吸器疾患におけるプロテオミクス解析の現状と将来
間質性肺炎のプロテオミクス解析
Proteomic Analysis of Interstitial Pneumonia
林 正周
1,2
,
中田 光
1
Masachika Hayashi
1,2
,
Koh Nakata
1
1新潟大学医歯学総合病院生命科学センター
2新潟大学大学院医歯学総合研究科
1Bioscience Medical Research Center, Niigata University Medical and Dental Hospital
2Niigata University Graduate School of Medical and Dental Science
pp.1301-1304
発行日 2006年12月1日
Published Date 2006/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404100500
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はじめに
間質性肺炎とは,病理組織学的に病変の主座が肺胞間質や細気管支周囲の間質にある疾患の総称である.原因不明の特発性間質性肺炎をはじめ,膠原病,薬剤性,ウィルスなどの感染性,粉塵吸入に伴う職業性などを広く包含する.
間質性肺炎のプロテオミクスの報告は近年増加してはいるものの,個々の症例数が比較的少ないこと,局所検体が得にくいこと,診断が難しいことなどの理由から,間質性肺炎のプロテオミクスはまだまだ発展途上の段階である.
間質性肺炎のプロテオミクスにおいては,細胞培養,組織や血清・BALF・末梢気道のマイクロサンプリング試料などの体液中の蛋白質の解析が行われている.BALFは肺胞上皮被覆液(epithelial lining fluid)および気道粘液を生理食塩水で洗浄・回収して得られた検体であり,末梢気道の蛋白組成をよく反映している.ある程度侵襲的ではあるけれども,広く普及しており施行できる施設が多いことから,これまでの間質性肺炎のプロテオミクス報告はBALFを解析したものが多い.
本稿では,間質性肺炎のプロテオミクス研究についてBALF蛋白質解析を中心に自験例を含めて概説する.
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