Japanese
English
Bedside Teaching
神経調節性失神に対する運動療法
Physical Training for Neurocardiogenic Syncope
河野 律子
1
,
安部 治彦
1
Ritsuko Kohno
1
,
Haruhiko Abe
1
1産業医科大学第二内科学
1Second Department of Internal Medicine, School of Medicine, University of Occupational and Environmental Health, Japan
pp.869-873
発行日 2006年8月1日
Published Date 2006/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404100442
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はじめに
失神の原因は多岐にわたるが,失神の治療法はその原因によって異なることは明らかである(図1).同時に,失神患者の生命予後はその原因疾患によって異なるが(図2),発生頻度が最も高いと考えられている神経調節性失神の生命予後は非常に良好である1).そのため,本疾患では失神発作による転倒や外傷,自動車運転や就労などに関する社会活動の低下を来すことが問題となり,神経調節性失神に対する治療はQOL改善を目的として行われる2).神経調節性失神では,不眠や疲労などの日常ストレスが発症に関与しているため,治療の第一はこれらのストレスを避けることが基本である(生活指導).これらの指導を行ったうえで,神経調節性失神患者の治療には現在大きく分けて,①薬物治療,②ペースメーカ治療,③運動療法(起立調節訓練法)の3つの治療法がある.
本稿では,まず薬物治療とペーシング治療の現状を簡単に述べたうえで,運動療法の実際について記載する.
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