Japanese
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特集 僧帽弁疾患の新しい治療戦略
僧帽弁形成術の現状
Recent Advances in Mitral Valve Repair
加瀬川 均
1
Hitoshi Kasegawa
1
1半蔵門循環器クリニック
1Hanzomon Cardiovascular Clinic
pp.699-706
発行日 2006年7月1日
Published Date 2006/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404100417
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はじめに
心臓手術全体の進歩と相まって僧帽弁形成術(MVP)は明らかに進歩し,姑息的な弁形成術から根治的な弁形成術が行われる時代となった.姑息的な弁形成は心不全を繰り返し心拡大が著しい患者に対して行われ,短時間で可能な交連部縫縮などによって4度の逆流を2度の逆流に減らすことができれば,それは数年間の予後を改善する効果はあった.人工心肺,心筋保護法,麻酔などの術中管理の向上によって,外科医にとって十分に安全な時間と環境が与えられるようになり,また心エコー機器,診断技術の進歩によって弁形成術は一生もつような根治的手術として根付き始めている.このような手術の予後,QOLが内科的治療や人工弁置換術(MVR)を上回るものであれば,手術の適応に対する考え方にも変化が求められるようになってくる.
本稿では,僧帽弁形成術の現状と適応拡大を中心に論じる.
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