Japanese
English
綜説
災害と呼吸器疾患
Disaster and Pulmonary Diseases
石原 享介
1
Kyosuke Ishihara
1
1神戸市立中央市民病院呼吸器内科
1Department of Pulmonary Medicine, Kobe City General Hospital
pp.503-509
発行日 2006年5月1日
Published Date 2006/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404100207
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はじめに
大規模地震,台風,津波,テロなど大規模な災害のニュースが絶えない.その都度,阪神淡路大震災の記憶がよみがえるが,後世に伝えるべき事柄,世界に発信すべき事柄が風化しつつあることに大災害を経験した者として忸怩たる思いを禁じえない.様々な災害において少なからず呼吸器系臓器が障害をうける.それには被災者,救援者に発症するもの,さらには直接被災に加え,避難所などにおける間接被災というべき様々な障害をあげなければならない.
直接被災では,呼吸器の特性から様々な物質の吸入性呼吸器障害という型をとることが多い.本稿ではまず阪神淡路大震災において問題となった呼吸器障害と避難所医療の実態にについて言及し,さらに代表的な災害時における呼吸器障害について主に文献を参考にして述べてみたい.
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