震災医療-来るべき日への医療者としての対応
《その他の災害(水害、NBC災害)》バイオテロによる災害
西條 政幸
1
1国立感染症研究所 ウイルス第一部
キーワード:
エクトロメリアウイルス
,
ウイルス性疾患
,
災害対策
,
歴史
,
バイオテロリズム
,
災害医学
,
バイオハザードの放出
,
Interleukin 24
Keyword:
Ectromelia virus
,
Disaster Planning
,
History
,
Virus Diseases
,
Bioterrorism
,
Disaster Medicine
,
Biohazard Release
,
Interleukin-24
pp.1063-1067
発行日 2012年12月1日
Published Date 2012/12/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2013059519
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<ポイント>・バイオテロとは、意図的に病原体を環境に散布またはヒトに感染させて、感染症流行を引き起こす行為をいう。・バイオテロの歴史は古く、最近でもわが国や米国において炭疽菌によるバイオテロ事件が発生している。・バイオテロは、化学テロや核テロと異なり、病原体曝露から発症までの時間が長く、バイオテロが認知されるまでに長い時間を要することが予想される。・米国CDCはバイオテロ病原体をリスク分類して発表し、もっとも危険視している病原体(カテゴリーA)として、炭疽菌、ボツリヌス毒素、ペスト菌、痘瘡ウイルス、野兎病菌、出血熱ウイルスをあげている。・わが国においては、バイオテロ対策の一環として天然痘ワクチンが備蓄されている。また、ウイルス性出血熱の診断システムは国立感染症研究所において整備されている。・国内外においてバイオテロ対策が議論されている。最近、社会にメリットとデメリットの影響を与える可能性のある研究(デュアル・ユース・リサーチ)のあり方についても議論がなされつつある。
©Nankodo Co., Ltd., 2012