Japanese
English
特集 循環器用薬剤の他臓器作用,非循環器用薬剤の循環器系への作用
循環器用薬剤の妊娠に及ぼす影響
Influence of Cardiovascular Drugs on Pregnancy
志賀 剛
1
Tsuyoshi Shiga
1
1東京女子医科大学循環器内科
1Department of Cardiology, Tokyo Women's Medical University
pp.471-478
発行日 2006年5月1日
Published Date 2006/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404100202
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
はじめに
妊婦への薬物治療を考える場合,妊娠期および出産後の授乳期における薬物の影響を考える必要がある.主に妊娠期(妊婦)に及ぼす薬物の影響を考えるうえで,薬物動態学的作用と薬力学的作用に分けて考えることが必要である.前者には妊娠に伴う生理機能の変化による母体の薬物動態の変化および薬物の物理化学的性質による胎盤移行性が関係してくる.一方,後者には母体の病態への効果と胎児の発達(そのなかでは催奇形性の問題も含まれる)が大きな因子となる.
本稿では,妊娠における母体の薬物動態学的特徴および催奇形性のリスク,また薬物の乳汁分泌について概説し,主要な循環器薬についてその特徴を述べる.また,参考までに米国食品医薬局(FDA)のリスク分類(カテゴリー)も併記する(表1)1,2).
Copyright © 2006, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.