特集 胆道閉鎖症の研究update
AIによる便色判定の有用性
大畠 雅之
1
,
藤枝 悠希
1
Masayuki Obatake
1
,
Yuki Fujieda
1
1高知大学医学部外科学講座小児外科
pp.155-158
発行日 2024年2月25日
Published Date 2024/2/25
DOI https://doi.org/10.24479/ps.0000000722
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はじめに
便色カラーカード(stool color card:SCC)を用いた胆道閉鎖症(BA)のスクリーニングは,わが国だけでなく海外でもその有用性が報告されており,わが国では2012年から母子健康手帳に掲載することが義務づけられている。SCCは胆汁中に含まれるビリルビンの流出量により変動する便色を全く流出のない白色便から正常便色まで並べたもので,保護者が児の便色と比較することで異常の有無を判定する。わが国のSCCは1番から7番までの色で構成されており,ビリルビン流出量が低下した1~3番が要注意とされているが,正常である4番と要注意の3番との見分けは専門医であっても難しいことがある。この問題を解決する方法として,2000年代以降に急速に進歩した,物を識別する能力に長けた人工知能(artificial intelligence:AI)技術の便色スクリーニングの応用が試みられている。
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