Japanese
English
Bedside Teaching
結核の診断をめぐる最近の話題
Recent Topics in the Diagnosis of Tuberculosis
藤兼 俊明
1
,
藤内 智
1
,
山崎 泰宏
1
Toshiaki Fujikane
1
,
Satoru Fujiuchi
1
,
Yasuhiro Yamazaki
1
1国立病院機構道北病院呼吸器科
1Department of Respiratory Disease, National Hospital Organization, Dohoku National Hospital
pp.289-293
発行日 2006年3月1日
Published Date 2006/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404100176
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はじめに
2003年の推定によると,結核は世界で新たに881万人が発病し,175万人が死亡した最大級の感染症である.日本においても2004年に29,736人が新たに登録され,罹患率が23.3,2,328人が死亡した1).しかし,最近50年間に罹患率は急速に低下してきており,過去に高率に結核感染を受けた高齢者世代と既感染率が低い中・若年者世代が地域社会のなかに混在している2).そのため,結核患者のなかで高齢者が占める割合が増加するとともに,若年者においても一定の患者数があり,学校,職場などでの集団感染事例も後を絶たない.
このような状況のもと,発病者の早期診断と確実な治療の重要性に変わりはないが,さらに,感染者(特に潜在性感染者)の診断と発病予防の重要性も強調されている3,4).そこで,本稿では主に結核の感染診断における最近の話題を中心に述べる.
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