Japanese
English
特集 レニン・アンジオテンシン系と臓器保護
ゲノムと高血圧
Genome and Hypertension
勝谷 友宏
1
,
荻原 俊男
1
Tomohiro Katsuya
1
,
Toshio Ogihara
1
1大阪大学大学院医学系研究科老年・腎臓内科
1Department of Geriatric Medicine, Osaka University Graduate School of Medicine
pp.833-841
発行日 2005年8月1日
Published Date 2005/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404100082
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はじめに
ゲノム(genome)と高血圧(hypertension)でPubMedの検索を行うと,452論文がヒットする.遺伝学(genetics)と高血圧ならば13,344ヒット,遺伝子多型(gene polymorphism)とでも1,865論文が抽出されることから,ゲノムから高血圧の病態を解明する取り組みが盛んに行われていることが示唆される.ゲノムは30億塩基対からなり,3万個弱の遺伝子や周辺領域には数百万個の一塩基多型(SNPs;single nucleotide polymorphism)が存在するが,これらのSNPsと疾患感受性の関連解析より,成因や合併症への進展に関わるゲノムの影響が少しずつ明らかにされてきている.高血圧罹患者は全世界で10億人,毎年710万人が虚血性心疾患や脳卒中で死亡することが報告されており,例え血圧を2mmHg左右するような僅かな影響を担う遺伝子であっても,その影響は多くの人に及ぶこととなる.
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