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はじめに
好酸球性肺疾患(好酸球性肺炎)とは,肺,末梢循環または両者に好酸球が増加するために引き起こされる呼吸機能障害の総称である.1992年にAllenとDavis1)が,“What is eosinophilic pneumonia?”と表現しているように,多様な疾患の集合体で,それぞれ独立した部分と重なり合う部分がある.おそらく本疾患の病態はアレルギー反応であり,その中心は文字どおり好酸球が担っていると考えられるが,その他に肺胞マクロファージ,リンパ球や好中球などの炎症細胞およびそれらから産生されるケモカインやサイトカンも深く関与していると考えられている.
1994年にAmerican Thoracic Society(ATS)が,eosinophilic lung diseasesに関するState of Artを掲載した2).それによると,eosinophilic lung disease とlung disease sometimes associated with eosinophilsに大別され,内容も非常にわかりやすく解説されている.
本稿では,肺局所における好酸球が病態と深く関わっている好酸球性肺疾患(eosinophilic lung disease)を中心に述べる.したがって,今回肺以外にも主病変を有するlung disease sometimes associated with eosinophilsやidiopathic hypereosinophilic syndromeについては言及を避けたい.また,気管支喘息および原因が明らかとされる寄生虫感染症や薬剤性肺疾患については独立した疾患として本稿からは除外する.最後に,特発性慢性および急性好酸球性肺炎における最近の知見について,われわれが経験した自験例も併せて報告する.
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