特集 今の流れに乗り遅れない!—プライマリ・ケアでの呼吸器疾患の診かた・薬の使いかた
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好酸球性肺疾患の診断と治療
靍野 広介
1
1飯塚病院呼吸器内科
pp.142-146
発行日 2020年1月10日
Published Date 2020/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402226684
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Point
◎好酸球性肺疾患の原因検索は,①薬剤,②吸入(喫煙も含む)に加え,③感染症,④血管炎や⑤悪性腫瘍など全身性疾患を意識した問診,検査を行う.
◎急性好酸球性肺炎(AEP)は,心原性肺水腫によく似たCT所見を呈し,末梢血好酸球が増多しないことも多く,肺水腫や急性呼吸窮迫症候群(ARDS)症例では,AEPを鑑別の1つに入れておく.
◎慢性好酸球性肺炎(CEP)は,その陰影が肺野の末梢側に分布する特徴をもっており,再発しやすい病態である.
◎治療にあたっては,原因の除去に加え,感染症や腫瘍ではそれぞれの治療介入を行う.好酸球自体の炎症を抑えるには,ステロイドが有用である.抗IL-5受容体抗体など生物学的製剤のエビデンスも待たれる.
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