Japanese
English
綜説
メタボリックシンドローム
Metabolic Syndrome
島本 和明
1
Kazuaki Shimamoto
1
1札幌医科大学第2内科
pp.65-72
発行日 2005年1月1日
Published Date 2005/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404100009
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はじめに
最近の生活習慣の欧米化を背景に個々の動脈硬化危険因子が増加し,それらの重積する割合も増大している.これらの危険因子集積の背景にはインスリン抵抗性や高インスリン血症が存在することが指摘されるようになり,最近では,インスリン抵抗性を踏まえた心血管疾患予防の必要性も唱えられるようになっている.そして,これらの病態に,syndrome X,deadly guartet,腹部肥満症候群,multiple risk factor syndromeなど多くの呼称が提唱されてきた.
米国の虚血性心疾患の一次予防,二次予防の管理指標としてNational Cholesterol Education Program(NCEP)があり,厳重なコレステロール管理の重要性を提唱してきている.2001年にNCEPにおける第三次成人管理基準の改訂(Adult Treatment Panel Ⅲ:ATPⅢ)が行われ1),コレステロール管理に加えて,コレステロール以外の心血管疾患危険因子の重要性が勧告され,危険因子の集積状態をメタボリックシンドロームとして提案している.そして,メタボリックシンドロームは,インスリン抵抗性がその基盤をなすとされている.
本稿ではメタボリックシンドロームと疫学,予後,病態,成因を中心に概説する.
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