Japanese
English
増刊号 図説「胃と腸」画像診断用語集2022
画像所見
腸
萎縮瘢痕帯
scared area with discoloration
鳥巣 剛弘
1
,
川崎 啓祐
1
1九州大学大学院医学研究院病態機能内科学
pp.559
発行日 2022年5月24日
Published Date 2022/5/24
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403202762
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 参考文献 Reference
萎縮瘢痕帯は1977年に白壁ら1)が“潰瘍瘢痕を伴う萎縮帯”と呼んだ表現を縮めた用語で,腸結核に特徴的かつ特異性の高い所見である.腸結核の病変が線状・帯状に配列し,慢性疾患でありながらも易治癒性を示すことを反映している.正常の大腸粘膜が区域性に荒廃し,内部に多数の瘢痕,腸結核に特徴的な潰瘍や炎症性ポリープなどの病変を有する.
X線造影所見(Fig.1)では区域性に正常の大腸構造であるfine network patternが消失した粗糙粘膜で,大腸ではhaustra,小腸ではKerckring皺襞の部分的消退,変形,消失を認め,ひだは一部が残存していることが多いとされている2).また,内部に多発する潰瘍瘢痕,炎症性ポリープや偽憩室などで構成された区域性の病変を有する.
Copyright © 2022, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.