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従来,早期胃癌の発見のためには,系統的に胃内を観察することが重要であると強調されてきたが,その観察法は,指導医や施設,学術団体により異なる.また,伝統的に日本人が提唱する観察法は,系統的ではあるが,内視鏡画像を撮影する枚数が40コマを超え,その提示法も複雑なため,海外の医師が習得し実際の臨床において実践されるに及ばなかった.一方,欧米で提唱されているminimal required standardでは,胃内の観察部位はわずか4か所であり,早期胃癌を発見するスクリーニング検査には不十分であった.このような背景を鑑み,筆者は,本邦の代表的な内視鏡指導医や海外の内視鏡専門医と議論を重ね,国際的に受け入れられる系統的観察法としてSSS(systematic screening protocol for the stomach)を考案し2013年に報告した1).このSSSは,海外の医師にもよく受け入れられ,世界で広く実践されている.日本消化器内視鏡学会が作成した「早期胃癌の内視鏡診断ガイドライン」に加え,英国消化器病学会のガイドライン「British Society of Gastroenterology guidelines on the diagnosis and management of patients at risk of gastric adenocarcinoma」にも採用され,ステートメントにおいて強く推奨されるに至った.
SSSの概要をFig.1に示す.SSSでは,胃粘膜を系統的に観察するために,内視鏡の操作順に胃の6部位について,時計回り,または,反時計回りに4か所(小彎,前壁,大彎,後壁)もしくは3か所(前壁,小彎,後壁)の,合計22か所を撮影する方法を一覧で示している.
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