特集 図説 胃と腸用語集2012
検査法・手技
三次元超音波内視鏡(three-dimensional endoscopic ultrasonography)
芳野 純治
1
,
三好 広尚
1
1藤田保健衛生大学坂文種報徳會病院内科
pp.662
発行日 2012年5月24日
Published Date 2012/5/24
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403113264
- 有料閲覧
- 文献概要
三次元超音波内視鏡検査では外筒内を細径超音波プローブが移動しながら多数の超音波像(ラジアル像)を撮影し,その画像のコンピュータ処理により三次元的な画像を作成する.超音波内視鏡専用機を手動で移動して三次元表示を作成する方法が1991年に初めて試みられている.その後,細径超音波プローブが開発され,プローブを外筒内で移動させる方法が考案されると,外筒の位置を変えることによりあらゆる部位での描出が可能になった.はじめは手動でプローブを移動させたが,一定の速度で動かすシステムが製作されたことにより正確な三次元表示が可能になった.ラジアル像とそれにより作成されたリニア像,両者から成るDPR(dual plane reconstruction)表示像(Fig. 1),斜視表示像(Fig. 2),内視鏡像に類似した表面構築表示像(Fig. 3)が得られる.深達度診断,周囲臓器・脈管との関係の立体的な把握や体積測定に用いられる.深達度診断ではラジアル像とリニア像の両者により判定するため診断能が向上したとの報告が多い.心拍や呼吸による移動がリニア画像に影響することがある.
Copyright © 2012, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.