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書評「Abdominal Intraoperative Ultrasonography」
戸部 隆吉
1
1京都大学病
pp.144
発行日 1988年2月25日
Published Date 1988/2/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403107878
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周知のように,わが国では肝癌が増加する一方である.日本肝癌研究会は,1965年以来全国症例を集積し追跡調査を行ってきたが,わが国の肝癌は,その大半(90%)が肝細胞癌であり,50歳台の男性に多く(男女比5:1),高率(85%)に乙型肝硬変を合併し,B型肝炎ウイルスHBs抗原保持者が多い(約30%)という特徴を持っている.
このような肝癌は,欧米には極めて少ないが,アジア諸国に特徴的である.したがって,その診断と治療に指針を与えることは,わが国の消化器内科・外科医に課せられた世界的使命であると言いうるが,肝癌が治療しうる時期に診断しうるようになったのは,まだ最近のことである.
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