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増刊号 消化管診断・治療手技のすべて2021
食道
治療
RFA
Radiofrequency Ablation for Barrett's Esophagus
岩谷 勇吾
1
1信州大学医学部内科学第二講座
pp.571
発行日 2021年5月24日
Published Date 2021/5/24
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403202338
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消化管に対するラジオ波焼灼術(radiofrequency ablation ; RFA)は,バイポーラシステムを用いて粘膜の一定深度(0.5〜1mm)までを焼灼する治療手技である.本邦では未導入であるが,欧米では主にBarrett食道や胃前庭部毛細血管拡張症(gastric antral vascular ectasia ; GAVE),放射線性直腸炎に用いられ,アジアでも台湾や中国を中心に食道扁平上皮の多発ヨード不染などへの使用が試みられている.本稿では欧米でのBarrett食道への使用につき解説する.
欧米に多いLSBE(long segment Barrett's esophagus)は発癌リスクが高く,内視鏡による腫瘍切除後の異時性多発が問題となる.よって,欧米ではまず腫瘍を内視鏡的粘膜切除術(endoscopic mucosal resection ; EMR)や内視鏡的粘膜下層剝離術(endoscopic submucosal dissection ; ESD)で切除したのちに,残存するBarrett粘膜に対しRFAやcryotherapyに代表される焼灼療法(ablative therapy)を行う.その後強力な酸分泌抑制治療を行うことで,Barrett粘膜を扁平上皮に完全に置換させることを治療の最終ゴールとしている.
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