今月の主題 リウマトイド因子
技術解説
TIAによるRF定量法
向田 直史
1
,
河合 忠
1
Naofumi MUKAIDA
1
,
Tadashi KAWAI
1
1自治医科大学臨床病理学
pp.603-609
発行日 1987年6月15日
Published Date 1987/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542913339
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リウマトイド因子(RF)は,主に慢性関節リウマチ患者などの血清に認められる変性IgGのFc部分に対する自己抗体である.従来RFはラテックス凝集反応などにて測定されていたが,再現性・定量性に乏しかった.今回筆者らはRFの測定に免疫比濁法を応用することを試みた.免疫比濁法によるRF測定法は,ビリルビン・溶血・乳びの影響をほとんど受けず,再現性・定量性に富んでいて,大量検体の処理も容易であった.本法にて正常人血清RF値を測定したところ,年齢依存的に血清RF値が増加し,そのほとんどは35u/ml以下の値を示していた.カットオフ値を35u/mlとすると,本法の陽性率はラテックス凝集法の陽性率に比べて,慢性関節リウマチで高く,ほかの疾患では低く,本法の疾患特異性・感度の高いことが示唆された.本法を含めたRF定量法の今後の普及には,標準血清の確立が望まれる.
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