Japanese
English
今月の主題 大腸鋸歯状病変の新展開
座談会
大腸鋸歯状病変に対する臨床現場での実情
Reality in Clinical Practice for Serrated Lesions in the Colon
山野 泰穂
1
,
田中 信治
2
,
菅井 有
3
,
松下 弘雄
4
,
斎藤 彰一
5
,
三澤 将史
6
,
堀田 欣一
7
,
竹内 洋司
8
,
佐野 寧
9
,
永田 信二
10
,
河野 弘志
11
Hiro-o Yamano
1
1札幌医科大学医学部消化器内科学講座
2広島大学大学院医系科学研究科内視鏡医学
3岩手医科大学医学部病理診断学講座
4秋田赤十字病院消化器病センター
5がん研究会有明病院下部消化管内科
6昭和大学横浜市北部病院消化器センター
7静岡県立静岡がんセンター内視鏡科
8大阪国際がんセンター消化管内科
9薫風会佐野病院消化器センター
10広島市立安佐市民病院内視鏡内科
11聖マリア病院消化器内科
pp.1648-1669
発行日 2020年12月25日
Published Date 2020/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403202213
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Introduction
山野 本号は「大腸鋸歯状病変の新展開」ということで,本誌ではしばしば鋸歯状病変に関して特集されていますが,大腸鋸歯状病変,さらにはSSA/P(sessile serrated adenoma/polyp)に関しては概ね市民権を得ており,多くの内視鏡医が知っている病変であると思います.SSA/PはMSI(microsatellite instability)陽性大腸癌の前駆病変であろうと分子生物学的にも解析が進んでおり,adenoma-carcinoma sequence,de novo pathwayに次ぐ第三の発癌ルートserrated neoplastic pathwayとしてmalignant potentialも高いのではと考えられています.
一方,実臨床では鋸歯状病変,特にSSA/Pは本当に悪性度が高いのかという疑問があります.これまで長い間,SSA/Pは過形成性ポリープと見分けがつかず,非腫瘍として扱われ放置されてきた歴史,むしろadenomaのほうが前癌病変として問題であると考えられてきた歴史があります.
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