Japanese
English
増刊号 図説「胃と腸」画像診断用語集2022
疾患
下部消化管
大腸鋸歯状病変
colorectal serrated lesions
山野 泰穂
1
1札幌医科大学医学部消化器内科学講座
キーワード:
表面隆起型
,
無茎性隆起型
,
粘液付着
,
枝サンゴ状
,
松毬様
,
II型
,
開II型
,
鋸IV型
,
JNET Type 1
Keyword:
表面隆起型
,
無茎性隆起型
,
粘液付着
,
枝サンゴ状
,
松毬様
,
II型
,
開II型
,
鋸IV型
,
JNET Type 1
pp.626-627
発行日 2022年5月24日
Published Date 2022/5/24
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403202811
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大腸鋸歯状病変とは鋸歯状構造を有する腺管で構成される病変の総称である.古くはHP(hyperplastic polyp)とされてきたが,腺腫性の細胞異型を伴う病変も指摘されるようになり,いくつかの名称に分派したものの,2010年のWHO分類1)で集約された(Table 1左).特にSSA/P(sessile serrated adenoma/polyp)はBRAF変異,高メチル化を特徴とし,MSI(microsatellite instability)陽性大腸癌の前駆病変と考えられ,第3のcancer pathwayとして近年注目されてきた.内視鏡診断においてはある程度確立されており,拡大内視鏡が有用である2).HPは直腸とS状結腸を主として同色調ないしやや白色調の平坦病変で粘液をほぼ伴わず,II型pit patternを呈する.SSA/Pは同色調ないしやや白色調の表面隆起型または無茎性隆起型で,粘液で覆われていることが多く,ほぼ均一な開II型pit patternを示すことが特徴である(Fig.1)3).このSSA/Pを基盤にIIIL型やIV型様などの異なるpitを有する病変はSSA/P with cytological dysplasiaが示唆され,特にVI型を伴う病変は癌化が示唆される(Fig.2)3).また,TSA(traditional serrated adenoma)に関しては,弱発赤調〜発赤した隆起主体の病変で枝サンゴ状や松毬様の構造をとり,拡大観察では鋸歯状構造を伴ったIV型(鋸IV型)を伴うことが特徴である(Fig.3)3).
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