特集 内科医が知っておくべき,肛門疾患の基礎知識
11.肛門癌(1)扁平上皮癌
三浦 卓也
1
,
諸橋 一
1
,
坂本 義之
1
,
鍵谷 卓司
1
,
佐藤 健太郎
1
,
袴田 健一
1
1弘前大学大学院医学研究科消化器外科講座
キーワード:
肛門扁平上皮癌
,
化学放射線療法
,
HPV
Keyword:
肛門扁平上皮癌
,
化学放射線療法
,
HPV
pp.435-441
発行日 2024年3月20日
Published Date 2024/3/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000002993
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肛門癌は肛門管に発生した扁平上皮癌であり,直腸から肛門管に発生した腺癌とは治療方針が全く異なり,組織診断が重要である.HPV-16およびHPV-18感染が発癌要因とされる.標準治療は化学放射線療法(5-FU+マイトマイシン+RT)で,HPV感染やその代用マーカーであるp16陽性肛門癌はその感受性が高い.80~90%の患者は化学放射線療法後26週の時点で癌消失が得られ,手術を回避できる.癌消失後は3~6カ月ごとの診察を5年間,1年ごとの画像検査を3年間行い,経過観察をする.遺残例や骨盤放射線療法既往の患者は直腸切断術が適応となる.遠隔転移例にはカルボプラチン+パクリタキセル療法が最も有効な治療法である.
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