Japanese
English
今月の主題 大腸腫瘍の病理診断の課題と将来展望
座談会
大腸腫瘍の病理診断基準の確立に向けて
Conversazione―Discussion of Pathological Diagnostic Criteria for Colorectal Tumor
鶴田 修
1
,
山野 泰穂
2
,
菅井 有
3
,
八尾 隆史
4
,
味岡 洋一
5
,
新井 冨生
6
,
江頭 由太郎
7
,
海崎 泰治
8
,
九嶋 亮治
9,10
,
二村 聡
11
,
永塚 真
3
Osamu Tsuruta
1
1久留米大学病院消化器病センター,久留米大学医学部内科学講座消化器内科部門
2札幌医科大学医学部消化器内科学講座
3岩手医科大学医学部病理診断学講座
4順天堂大学大学院医学研究科人体病理病態学
5新潟大学大学院医歯学総合研究科分子・診断病理学分野
6東京都健康長寿医療センター病理診断科
7大阪医科大学病理学教室
8福井県立病院病理診断科
9滋賀医科大学臨床検査医学講座
10滋賀医科大学附属病院病理診断科
11福岡大学医学部病理学講座
pp.1527-1560
発行日 2019年10月25日
Published Date 2019/10/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403201864
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Introduction
菅井 本日は「大腸腫瘍の病理診断の基準の確立に向けて」ということで,病理側から私と八尾先生,臨床側から鶴田先生,山野先生で司会をさせていただきます.本邦の消化管病理のエキスパートの先生方に病理組織標本を診断していただいて,その結果から,問題点,またこれからの診断基準について話し合いたいと思います.私の教室でバーチャルスライドを作成してくれた教室員の永塚先生もオブザーバーとして参加させていただきます.
山野 臨床側からもはじめに一言述べさせていただきます.
現場で実際に病変を切除して患者に診断を説明する臨床医の立場から言うと,今はもう拡大内視鏡観察をしたり,一部の人は超拡大内視鏡観察(endocyto)をしたりして,癌もしくは腺腫ということを判断してから,病変を切除して病理に提出します.
ですが,病理からの診断レポートに,病理標本全体で部分的に異型度が違うのに,大部分がこうだからと診断名が1つしかついてこないときがあります.他にも,臨床側が癌だと思って切除して提出しても病理から癌と返ってこず,それを別の病理医にみていただくと,結局癌と診断がつくこともあり,われわれ臨床医にとっても非常に大きな問題です.本日はこのような乖離についてのお話もおうかがいできるとありがたいです.
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