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鶴田(司会) 本日はお忙しい中お集まりいただき,ありがとうございます.それでは早速座談会を始めたいと思います.大腸腫瘍に対するpit pattern診断の基礎は小坂知一郎先生,西沢護先生,そして今日ご出席の多田先生たちのご努力により築かれ,その後,工藤先生たちのご尽力により全国的に普及し,現在では臨床的に必須のものとなっています.現在,一般的に用いられているpit pattern分類は工藤らの分類で,すなわちI型は円形で正常粘膜のpit,II型は星芒状で過形成のpit,IIIs型は正常より小型の管状類円形pit,IIIL型はI型よりも大きい大型の管状類円形pit,IV型は溝紋状,樹枝状,脳回転状pitでこれらのIIIs,IIIL,IV型pitは腺腫に多いpitであり,V型は不整,無構造のpitで,癌に認められるpitである,ということはほとんど共通認識だと思います.しかしV型の認識で癌の診断ができても,治療法を考慮した場合,さらに粘膜内にとどまる癌か,粘膜下層に浸潤した癌かを見分ける必要があります.そこでV型pitの亜分類,すなわちV型のI,irregularと,V型のN,non-structureとに二分することにより,深達度診断を行う努力が各施設で行われていますが,その定義と実際の読みに違いがあるようです.この座談会ではV型pit patternの亜分類は必要か,必要ならばその定義は一致しているのか,定義は同じでも実際の判定が違うのではないか,という疑問に対し各先生のご意見をうかがい,さらには実際に拡大内視鏡の写真を読影していただきながら,味岡先生と私,鶴田の司会で大腸腫瘍に対する拡大内視鏡の実状と問題点を明らかにしたいと思っています.
味岡(司会) 工藤先生が分類されたI型からIV型までは定義や実際の判定には大きなぶれはないだろうと思います.またI型からIV型までは良悪性は別として粘膜内病変ということでコンセンサスはある程度得られていると考えてよいと思いますが,それでよろしければ,今問題になっているV型に話のfocusを置きたいと思います.はじめに,その点についてはご出席の先生方いかがでしょうか.
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