--------------------
編集後記
八尾 隆史
1
1順天堂大学医学部人体病理病態学講座
pp.1759
発行日 2017年12月25日
Published Date 2017/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403201252
- フリーアクセス
- 文献概要
- 1ページ目
近年,NBI(narrow band imaging)に代表される画像強調内視鏡の普及に伴い,表在型咽頭・頸部食道癌の発見が増加してきた.しかしながら,発見数が増加したとはいえ,表在型咽頭・頸部食道癌のリンパ節転移の頻度や危険因子については明確にされていなかった.そこで本特集号では,表在型咽頭・頸部食道癌の内視鏡診断(発見および鑑別診断),治療方針,治療法について,最新の知見をまとめ,今後の診療に生かすことを目的とした.
発見に関してはNBIを用いて死角なく十分な観察を行う必要があり,そのコツに関しては経鼻内視鏡の有用性を含め川田論文で解説されている.内視鏡診断の詳細は門馬論文で解説されている.NBIにより発見されるbrownish areaには癌以外にもリンパ濾胞,乳頭腫,メラノーシス,炎症,化学放射線療法後の変化など種々なものがあり,その特徴と鑑別に関しては松浦論文で解説されている.
Copyright © 2017, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.