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編集後記
八尾 隆史
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1順天堂大学大学院医学研究科人体病理病態学
pp.283
発行日 2017年2月25日
Published Date 2017/2/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403200847
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日本は先進国ながら結核の罹患者は少なくはなく,現在でも消化管結核の症例に時に遭遇する.本誌では1995年に「腸結核」の特集が組まれて以来,特集は組まれていなかった.最近では消化管結核の発生頻度,罹患部位,X線や内視鏡像など臨床像の現況については,消化管の診断・治療を行う立場としては知っておく必要がある.また,結核の補助診断としてツベルクリン反応(ツ反)以外に,インターフェロンγ遊離試験(interferon-gamma release assay ; IGRA)が用いられるようになり,新しい菌同定法も開発され,これらの有用性にも興味がある.
まず,序説では消化管結核の分野の第一人者である八尾恒良先生が最近13年間の症例報告から,病歴からみた問題点,画像診断の現状,生検診断について解析した.小林論文では1995年の八尾集計から現在に至るまでの消化管結核の推移を解析し,大腸の報告は減少し,小腸は増えているが,腸原発は3割程度まで減少していることが判明した.そして,報告例の過半数が手術例であり,その原因の90%は小腸病変であることから,診断・治療における小腸検査の重要性も指摘されている.
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