Japanese
English
今月の主題 虫垂病変のすべて―非腫瘍から腫瘍まで
序説
虫垂病変のすべて―非腫瘍から腫瘍まで
Introduction
鶴田 修
1
Osamu Tsuruta
1
1久留米大学医学部内科学講座消化器内科部門
キーワード:
虫垂炎
,
虫垂腫瘤
,
虫垂腫瘍
Keyword:
虫垂炎
,
虫垂腫瘤
,
虫垂腫瘍
pp.425-426
発行日 2014年4月25日
Published Date 2014/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403114111
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本誌において虫垂病変の特集が組まれたのは,25巻10号(1990年)「虫垂腫瘤」以来,実に24年ぶりのことである.他の消化管疾患と同様に,病変そのものを内視鏡やバリウムX線造影検査で直接確認できれば診断は容易であろうが,虫垂病変は病変が盲腸の管腔面に顔を出すことなく経過するものが多いため,間接所見に頼った診断を行わねばならず,確定診断が難しい.他誌を含め,虫垂疾患のみの特集が少ない理由のひとつと思われる.しかし,腸管の表面観察だけの内視鏡や注腸X線造影検査に加え,腸管壁の断層像が得られる超音波,CT,MRI,さらにはPET(positron emission tomography)検査などを行えば,その診断能の向上が期待できる.
病理組織学的に,虫垂の炎症性病変には急性虫垂炎,急性虫垂炎以外の虫垂炎〔結核性虫垂炎,Crohn病,サルコイドーシス,潰瘍性大腸炎,放線菌症(actinomycosis),エルシニア感染症,住血吸虫症,蟯虫感染症,腸管スピロヘータ症,ウイルス性虫垂炎など〕が存在し1)2),腫瘤性病変は上皮性腫瘤,間葉系腫瘤,リンパ腫,二次性腫瘤に分類され,上皮性腫瘤には腺腫,鋸歯状病変,癌,神経内分泌腫瘍,杯細胞カルチノイドなどが,間葉系腫瘤には平滑筋腫,脂肪腫,神経腫,カポジ肉腫,平滑筋肉腫が存在する(Table 1)3).
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