Japanese
English
今月の主題 組織混在型粘膜内胃癌の診断
序説
組織混在型早期胃癌
Introduction
九嶋 亮治
1
Ryoji Kushima
1
1国立がん研究センター中央病院病理・臨床検査科
キーワード:
未分化型癌
,
分化型癌
,
組織混在型癌
,
ESD適応
Keyword:
未分化型癌
,
分化型癌
,
組織混在型癌
,
ESD適応
pp.1533-1538
発行日 2013年10月25日
Published Date 2013/10/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403113961
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はじめに
胃癌は,腺管形成傾向が明瞭な分化型癌と腫瘍細胞がバラバラに増殖する未分化型癌に大別される.基本的には,管状腺癌(tub)と乳頭腺癌(pap)が分化型癌,低分化腺癌(por)と印環細胞癌(sig)が未分化型癌に対応するが(「胃癌治療ガイドライン」では粘液癌も未分化型に含められている)1)2),胃癌の多くはこれらが複雑に混在している.分化型癌でも,tubとpapで特性が異なることが指摘されている.ガイドラインのエビデンスを示した論文3)で言う“分化型癌”とは,“純粋な分化型”を指すのか,あるいは“分化型が優位なもの”を指すのか理解されていないことが多く,また“分化型と未分化型に再現性をもって線を引くことができるのか?”“同じ領域で混じり合っていたらどうするのか?”“何をもってpapとするのか?”“小さな生検で腫瘍の全体の組織像がわかるのか?”などのいまさら聞けないような疑問が残されたまま,早期胃癌の内視鏡治療が進められている状況である.
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