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はじめに
小山 皆さま,お忙しい中お集まりいただきまして,ありがとうございます.
本号の特集は,小野先生,九嶋先生と私とで企画させていただきました.組織混在型早期胃癌は,その定義・診断法・治療の適応など,十分な知見に乏しく,臨床家はさまざまな対応を取らざるを得ない現状があります.そこで,各施設の現状,考え方について十分に議論していただきたく,“組織混在型早期胃癌の取り扱い”をテーマに座談会を企画しました.
まず,お伺いしたいことは,“組織混在型は悪性度が高いのか?”について,次に,X線・内視鏡の立場から“組織混在型胃癌の術前診断のコツ”について,そして最後に,ESD(endoscopic submucosal dissection)の結果,組織混在型だとわかったときに,“追加治療をどうすべきか”について討論したいと思います.
病理に関しては,九嶋先生からお願いします.
九嶋 病理学的な観点から組織混在型胃癌について述べますと,ご存じのように,胃癌は分化型と未分化型に大別されます.組織学的に多様性が強いのが特徴であり,同じ分化型でも管状腺癌(tub)とか,未分化型でもきれいな層構造があるような印環細胞癌(sig)と,そうではない低分化腺癌(por)で特性が異なるとされます.さらに,一般的に分化型のまま経過していく場合もあれば,時間経過とともに未分化型へ変化していく場合もあります.
このような観点から,組織混在型胃癌というのは,後者の分化型が時間経過とともに未分化型へ変化していくものと,同じ分化型でもtubと乳頭腺癌(pap)が混じっているものが,内視鏡切除時にどのようになっているか,またどのように取り扱われるべきか,ということを討論していただければと思います.
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