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書評「胃の拡大内視鏡診断」
小澤 俊文
1
1佐藤病院消化器内科
pp.1578
発行日 2012年9月25日
Published Date 2012/9/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403113603
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10年ほど前になるだろうか,成書にて胃の拡大内視鏡写真を見た.白色光にて捉えられた画像は胃炎粘膜のきれいな画像ではあったが,それ以上琴線に触れることなく時間が過ぎた.
それから消化器内視鏡は飛躍的に光学的進歩を遂げ,NBI併用拡大観察がハイビジョンで可能となった.70年代の故吉井隆博先生による実体顕微鏡観察や榊信廣先生による胃の拡大観察粘膜分類(ABCD分類)はあったものの,Helicobacter pylori(H. pylori)の発見前の時代であり,観察機種の問題もあり普及には至らなかった.90年代後半に細径の拡大内視鏡が開発されてからは各地の学会,研究会で胃の拡大観察に関する話題が取り上げられるようになったが,主に癌が対象となったのは胃癌大国の日本では当然の流れといえる.
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