特集 図説 胃と腸用語集2012
検査法・手技
内視鏡的逆行性回腸造影(endoscopic retrograde ileography;ERIG)
佐藤 祐邦
1
,
平井 郁仁
1
1福岡大学筑紫病院消化器内科
キーワード:
逆行性回腸造影
Keyword:
逆行性回腸造影
pp.640-641
発行日 2012年5月24日
Published Date 2012/5/24
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403113247
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1985年に川村ら1)が内視鏡下に挿入したガイドワイヤーに沿いイレウスチューブを回腸末端まで挿入し,バリウムと空気で二重造影を行う選択的逆行性回腸造影法を考案した.さらに1992年,竹中ら2)は,同法がゾンデ式小腸二重造影に比べ,下部小腸や回腸末端におけるバリウムの付着や伸展性がよいこと,腸管の重なりが少ないなどのことから描出能が優れていることを証明した.しかし,先端バルーン逸脱のため良好な二重造影が得られないなどの問題点を有したため,1995年に竹中ら3)はチューブ先端の逸脱を防ぐために改良を加え,逆行性回腸造影用チューブを考案し,その手技を確立させた.
大腸内視鏡検査と同様の前処置で,用いる造影剤は,以前は50~70w/v%の低濃度のバリウムを使用していたが,回腸に残った前処置液でバリウムが付着不良となるために,現在では100w/v%のバリウムに5~10mlの消泡剤を混ぜ,100~250ml使用している.
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