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書評「Endoscopic Retrograde Cholangiopancreatography =英文版」
並木 正義
1
1旭川医科大学
pp.1668
発行日 1979年12月25日
Published Date 1979/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403107860
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先に竹本,春日井両氏の編集になる「膵・胆道の内視鏡検査」という本が出版された.この本は文宇どおり膵・胆道の内視鏡に関する一切が網羅されているだけでなく,膵・胆道疾患の病態を理解し,これを診断する上に参考となるすべての事項が要領よくまとめられており,一般の内科学各論の成書よりも,もっと実のあるものとして高く評価してきた.ところが続いて今回,その英語版ともいうべき書が世に出された.これをよくみてまず感じたことは,内容の立派な日本語の本を英文にすると,さらに一層輝きを増すものだという不思議な事実である.
英文で本を出すということはいろいろな意味をもつ.第1にすぐれた研究は,やはり英文にして世界に示し,その評価を問うことは意義のあることだし,本書は実際にそうするに足る堂々とした内容の本である.第2に若い医師達が医学英語を勉強する上に非常に役だつ本だといえる.最近は学会抄録や雑誌投稿などでちよっとした英文を書かされることが多くなってきた.これは簡単なようで,書きつけていないと,意外と億劫なものである.ところが本書はそのようなとき大変参考になるといって,現に若い教室員の何人もが日本語版と英語版の両方を手にして,英語の勉強をかねながらこの本を利用している.こうなると分担執筆者の英文は責任が重い.しかし,そこはさすが各執筆者とも英語に強く,その英文はしっかりしている.それになんといっても自らの深い経験に基づいて書いているだけに,実にわかりやすく,その表現力もすぐれている.
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