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海外文献紹介「無酸症患者での吻合部潰瘍」
小林 世美
1
1愛知県がんセンター第1内科
pp.1604
発行日 1976年12月25日
Published Date 1976/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403113201
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Marginal Ulcer in Achlorhydric Patients: R.V. Tauxe, L.F. Wright., B.I. Hirschowitz (Ann Surg. 181: 455~457, 1975)
消化性潰瘍で手術した患者の胃空腸吻合部の潰瘍は,胃の分泌機能の残存に由来する潰瘍とみなされる.Spiroは,術後の無酸胃では,吻合部潰瘍はおこらないと述べている.ところが著者らは,ヒスタミン無酸胃例で内視鏡的に吻合部潰瘍を証明した3例を報告している.1960年から1972年の間に内視鏡的に証明した100例の吻合部潰瘍中3例で,ヒスタミン無酸を証明した.ヒスタミンの使用量は,0.04mg/kg.第1例,56歳白人男子.22年前に十二指腸潰瘍でBillroth Ⅱ法の胃切除を受けた.吻合部の空腸側に潰瘍あり,ヒスタミン刺激で無酸,pHは6.9だった.第2例は,65歳黒人男子.10年前胃潰瘍でBillroth Ⅱ法の胃切除をうけた.その後5回にわたり出血性吻合部潰瘍が発生.胃液は無酸で,pH 7.0だった.第3例,55歳白人男子.10年前再発性出血性十二指腸潰瘍でBillroth Ⅱ法の胃切除をうけた.最近吻合部潰瘍発生.胃液のpHは6.5だった.
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