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病理学講座 消化器疾患の切除標本―取り扱い方から組織診断まで(8)
組織標本の見方:病理の再構築,肉眼所見との対応
Introductory Course of Gastrointestinal Pathothology (8)
中村 恭一
1
Kyoichi Nakamura
1
1筑波大学基礎医学系病理
pp.985-987
発行日 1987年8月25日
Published Date 1987/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403113029
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Ⅰ.はじめに
手術材料の病理組織検査の第1の目的は,言うまでもなく,三次元である病変を二次元の組織標本として観察し,その病変の疾患名と拡がりを知ることにある.第2の目的は,術前のX線・内視鏡所見と手術材料の所見との間の1対1対応づけにある.なぜこのようなことが必要なのかと言うと,術前のX線・内視鏡所見の“読み”をより正確にするためであり,その“読み”が正確であることは正しい診断につながるからである.この対応をある程度行っていると,X線・内視鏡所見から立体的な病像が脳裏に描かれるようになる.
病変がX線・内視鏡検査で発見された場合,“なにも術前に細かな所見を読んで病変の全貌を把握せずとも,生検あるいは切除して病理検査をすればよい”との短絡的な考え方もあるが,そのようにするならばX線・内視鏡診断,更には生検・切除を適切に行うことができなくなる.
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