Japanese
English
病理学講座 消化器疾患の切除標本―取り扱い方から組織診断まで(16)
組織所見と肉眼所見との対応,病変の再構築(5)胆囊
Introductory Course of Gastrointestinal Pathology (16)
渡辺 英伸
1
Hidenobu Watanabe
1
1新潟大学医学部第1病理
pp.463-467
発行日 1988年4月25日
Published Date 1988/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403108112
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
はじめに
肉眼所見と組織所見との対応,それによる肉眼所見の組織学的再構築の必要性や目的についての一般的事項は「腸の切除標本」の項で既に述べてきた(胃と腸22:1442-1444,1987).これらの必要性は特に胆囊で大きい.その最大の理由は,胃や大腸で微細な術前画像診断が病理形態学的診断に先行したのに比べ,胆囊では逆で,術前画像診断が現時点では十分でなく,病変の微細な特徴的画像所見が十分に明らかにされていないからである.したがって,切除材料で病変の肉眼所見と組織所見との対応や肉眼所見の組織学的再構築を行って,各種胆囊病変の切除材料にみられる形態学的特徴を明らかにし,この特徴を描出するように術前画像検査法を工夫する必要がある.
以下,胆囊病変の診断(術前・術後)を困難にしている特殊要因,切除胆囊内病変の肉眼所見を組織学的に再構築するための手順と方法,切除胆囊病変の肉眼診断および組織診断についで述べてみたい.
Copyright © 1988, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.