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書評「急性代謝障害時の経静脈栄養法」
早坂 滉
1
1札幌医科大学
pp.614
発行日 1977年5月25日
Published Date 1977/5/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403112632
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この度,H.A. Lee編集による「Parenteral Nutrition in Acute Metabolic Illness」が翻訳されて“急性代謝障害時の経静脈栄養法”という日本語版の本が上梓された.翻訳者はその道の権威である山本関西医大教授,藤田愛知医大教授,ミドリ十字の森末,谷川,須山医博である.この本は,Wretlind,Wilkinson,Johnston,Peastone等の13人のdoctorで主にEnglandのその道の大家とSweden,Norwayの人たちが加わり,分担執筆になるものである.
元来,栄養は経口的に与えるものであるが,われわれ手術患者等を扱う場合において食事がとれない,あるいは食事をとることが好ましくないという状態の場合にあっても経口的あるいは経鼻的に栄養を与えるということが理想的ではあるが,それが不可能の場合や出来ない場合に経静脈的にいわゆる輸液を行なうことによって水分電解質などのバランスをとるわけで,これらについては古くから行なってきている.しかし,さらに積極的に経静脈的に栄養を与えるということが必要になり,近年はことに高カロリー輸液が行なわれるようになってますますその重要性が高まったといえる.したがって,これらの特性やその代謝等について広く知識を要求されるのである.現在,数多くの研究によりこれらの点が解明されつつあり,parenteral nutritionの有効性が高く評価されている.
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