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書評「急性代謝障害の経静脈栄養法」
武藤 輝一
1
1新潟大学
pp.1532
発行日 1977年11月25日
Published Date 1977/11/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403112471
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すでにAllenとLeeによる著書“A Clinical Guide to Intravenous Nutrition”が内藤良一,谷川十三生,須山忠和の3氏により邦訳され『完全静注栄養』の表題で出版(医学書院)されたことがある.当時この3氏の研究心も含め経静脈栄養に寄せられる熱意に感心したものである.今回,関西医科大学外科の山本政勝教授を中心に前述の内藤氏に代って森末新一氏が加り5氏によりParenteral Nutritionin Acute Metabolic Illnessが邦訳され『急性代謝障害時の経静脈栄養法』の表題で出版されることになった.編集者のLeeをはじめJohnston. Wilkinson,Wretlindその他の欧州の研究者により執筆されているが,この執筆者の中には栄養とくに経静脈栄養について数多くの業績を発表している人が少なくない,それだけに分かり易く,詳細に記述されている.
第1編では経静脈栄養を中心とした歴史が,第2編では経静脈栄養を実施するに当って必要な基礎的知識が,第3編では経静脈栄養が必要とされる外傷や手術侵襲時の代謝面からみた病態生理が述べられている.第4編では経静脈栄養の臨床でのあり方,第5編では経静脈栄養の実際の施行方法が記載されている.つまり第2,第3編は基礎で第4,第5編が臨床応用ということになる.そして第6編では耐容性および毒性研究について触れており編集者の本書作製に当っての慎重な配慮が窺われる.
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