Japanese
English
装置と方法
小児における冠循環動態および心筋代謝動態検討のための経大腿静脈性冠静脈カテーテル法
Coronary sinus cannulation via the femoral vein for evaluation of coronary hemodynamics and myocardial metabolism in children
浜岡 建城
1
,
坂田 耕一
1
,
松村 淳子
1
,
福持 裕
1
,
白石 公
1
,
早野 尚志
1
,
糸井 利幸
1
,
中川 雅生
1
,
高 永煥
1
,
神谷 康隆
1
,
林 鐘声
1
,
尾内 善四郎
1
Kenji Hamaoka
1
,
Koichi Sakata
1
,
Atsuko Matsumura
1
,
Hiroshi Fukumochi
1
,
Isao Shiraishi
1
,
Takashi Hayano
1
,
Toshiyuki Itoi
1
,
Masao Nakagawa
1
,
Eikan Koh
1
,
Yasutaka Kamiya
1
,
Shosei Hayashi
1
,
Zenshiro Onouchi
1
1京都府立医科大学小児疾患研究施設内科部門
1Division of Pediatric Medicine, Children's Research Hospital, Kyoto Prefectural University of Medicine
pp.1309-1314
発行日 1989年12月15日
Published Date 1989/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404205594
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臨床の場において冠静脈へのカテーテル挿入は,1)心筋代謝動態検討のための冠静脈血のガス分析・代謝物質レベルの測定1),2)熱希釈法による冠静脈洞血流量測定2),3)上室性頻発性不整脈の電気生理学的検討3,4),4)心筋虚血に対するretroperfusion5,6),などを目的に行われる。冠静脈へのカテーテル挿入は,冠静脈洞の解剖学的特異性のため,ふつう尺側皮静脈・肘静脈・鎖骨下静脈などから行われる。しかしながら,このような上肢からのカテーテル挿入は,小児例にとって技術的に容易なことではなく,また冠血流量測定のためだけに別に血管を確保しなければならないという点で倫理的にも問題がある。さらに,小児例では大腿静脈がルチーンの心臓カテーテル検査に用いられるが,この大腿静脈から冠静脈へカテーテルを挿入するには熟練した技術が必要であるほか,挿入までにかなりの時間を要す。このことは,全身麻酔をかけてカテーテル検査を行うことの多い小児例にとって明らかに不都合である。これらの点から,小児例の冠静脈カテーテル法による冠循環動態や心筋代謝に関する検討はこれまでほとんど行われておらず,小児例でのまとまった形で冠血流量測定の報告もない。
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